「………」
何も言わない私に、ユキが近づいてくる。
彼は心配そうに私の顔を覗き込むと、私の額に浮いた汗を何のためらいもなく手で拭った。
「水飲むか」
「はい」
「待ってて」
ユキはコップ一杯の水を私に渡すと、今度はクローゼットから着替えを取り出した。
「………」
まだ、動悸がする。
シャツを手に持ったユキはすぐに戻ってきて、少しずつ水を飲む私をじっと待っていてくれた。
水を飲んで、着替えて。
もう一度目を閉じる気にはなれなかったので、リビングに戻った。
ユキは一緒になって隣にいてくれるけれど、彼には明日も仕事がある。
「ユキさん、寝室で寝てください」
「いい。かぁこが眠るまで起きてるよ」


