眠っているうちに、ユキが帰ってきた。
……けど、これはどういう状況なんだろう。
私はベッドの下に転がったユキを見下ろしながら、首を傾げた。
「ごめん。起こした……」
「いえ。起こしてほしかったので」
床に寝そべりながら、ぽーっと天井を見上げたままのユキ。
起きないのかな。
「何、してるんですか?」
「何も……。俺、何もできない」
よくわからないことを言う。
やっぱりまだ――
「怒ってますか?」
私がそう尋ねると、覚醒したみたいにやっと目が動いた。
パチパチと瞬きをして、身体を起こし。
「怒ってない。ごめんね、かぁこ」
「………」
一度ぎゅっと私を抱きしめたかと思えば、腕はすぐに離れていった。
「ご飯食べるか」
「あ」
「どうした?」
「潤さんと、リンコさんは?」
「もう帰ったよ」
「そっか……私あのまま寝ちゃったんだ……」
せっかく来てくれたのに。
肩を落とす私に、ユキは「気にするな。すぐにまた来る」と言って宥めた。


