自分から触れるのは、まだいい。
だけど、カナコから触れられるのは、どうしても駄目だった。
途端に、自分をどう扱えばいいのかわからなくなる。
そんなユキの事情も知らず。
カナコはそのままユキのシャツをぎゅっと掴み、手繰り寄せ。
すり……と顔を胸に埋めた。
「………」
「ユキ……さん」
溜息混じりに囁かれた、自分の名前。
その途端。
「……っ!!」
ゾクゾクと身体の奥から脳天まで、電気のようなものが走り抜ける。
脳が焼きつく感覚。
理性という処理が滞る感覚。
身体が勝手に動きたがる、ユキにとって深刻なバグ。
ユキはパニックになり、後ろに弾け飛ぶようにしてカナコから逃げた。
――ドスンッ!
「……あれ?ユキ……さん?」
目をこすりながら身体を起こしたカナコが、不思議そうにベッドの下を見下ろす。
そこには、勢い余って床へ落下したユキが呆然と転がっていた。


