余所者-よそもの-【 3 】



自分から触れるのは、まだいい。

だけど、カナコから触れられるのは、どうしても駄目だった。

途端に、自分をどう扱えばいいのかわからなくなる。


そんなユキの事情も知らず。


カナコはそのままユキのシャツをぎゅっと掴み、手繰り寄せ。

すり……と顔を胸に埋めた。


「………」


「ユキ……さん」

溜息混じりに囁かれた、自分の名前。


その途端。

「……っ!!」

ゾクゾクと身体の奥から脳天まで、電気のようなものが走り抜ける。


脳が焼きつく感覚。

理性という処理が滞る感覚。


身体が勝手に動きたがる、ユキにとって深刻なバグ。


ユキはパニックになり、後ろに弾け飛ぶようにしてカナコから逃げた。


――ドスンッ!


「……あれ?ユキ……さん?」


目をこすりながら身体を起こしたカナコが、不思議そうにベッドの下を見下ろす。

そこには、勢い余って床へ落下したユキが呆然と転がっていた。