余所者-よそもの-【 3 】



「カナコちゃん。ユキのことで困ってることない?」


潤が私にそう尋ねてきたのは、お惣菜を食べきった頃だった。

さっきのユキを見て、思うところがあったんだろうな。


「……困ってるっていうより。困らせてしまっています」


――『かぁこにとっても、まるでアイツは特別だ。それってなんで?』

あのときのユキは、なんだか嫉妬しているみたいだった。

けど、……そんなこと、あるのかな。


「困らせてる?」

「はい。だけどユキさん、私のやりたいようにさせてくれるんです」

「そりゃあ、まぁ。カナコちゃんだから」

「その分、ユキさんに我慢させてしまっています」


私がそう言うと、潤は「うーん」と少し考えるように天井を見上げた。


「ぶっちゃけさぁ。俺からしてみれば、今のユキの方が困ってないし、我慢だってしてないよ?」

「今のユキさん……は、どのユキさんと比べて?」


「カナコちゃんがいない時のユキ」

私が……いないとき?


「……まぁ、本人は言わないだろうけど」

潤は少し困ったように笑った。


「マンションから連れ去られてから。ユキはずっと街に出て、カナコちゃんを探してた」

「………」

「街のヤツに喧嘩吹っ掛けられながら、ねじ伏せて、手駒にしてまた探して。でも見つからなくて」


眉をひそめて、潤を見る。

潤は記憶を辿るように、ゆっくりと目を伏せた。