私は一人、溜息を吐く。
やっと離れてくれた。
「………」
私はぐるっと部屋を見渡す。
築年数のありそうなアパートの割には、綺麗な内装。
深い緑の、真新しい畳。
真っ白な壁紙。
物は最低限。
この敷布団一つに、ダイニングテーブルと二脚の椅子。
あとは冷蔵庫や電子レンジ等の家電が置かれているくらい。
この人の自宅かと思ったけれど、多分……違う。
置かれているものはどれも真新しいし、布団だってシーツは淡いピンク色。
それに、ピ、ピ、と電子レンジのボタンを押しながら「なんだこれ?」と首を傾げる彼は、どうやら初めて使うようだった。
彼はここを『シェルターみたいなものだと思えばいい』と言ったけれど、きっと私を迎えるためだけに用意したのだと思った。


