余所者-よそもの-【 3 】



「じゃあ、行ってくる」

「……お気を付けて」


ユキは背中を向けてゆっくり数歩進むと、ピタリと足を止めた。


「かぁこ」

「はい?」

「俺、夜に帰るから」

「わかりました」


返事をしたものの、ユキの足は一向に玄関へ向かおうとしない。

どうしたんだろう、と首を傾げる。


「……そのときには、普通にできると思う」

「………」

「なるべく早くに帰る」


ユキは名残惜しそうにそう言い残すと、ようやくドアを開けて家を出て行った。


「………」

ユキの去った玄関をぽかんと見つめる私。

隣に立つ潤は、ニヤニヤと意味深な笑みを浮かべていた。