余所者-よそもの-【 3 】



菜箸でお惣菜を取り分けて、プレート二つに並べていく。

ふと、今朝の千景を思い出した。


「あの、千景も……家に上げていいですよね?」


千景本人にも伝えたけれど、ここはユキの家。

二人は顔を合わせれば喧嘩をするけれど、仲が悪いってことはないんだと思う。

むしろ、ユキがああいう風に接することは珍しいから。


「ユキさんの家で変なことをしないように、ちゃんと私が見てますから」

「………」


菜箸を動かしながら、返事を待った。

だけど、何も返ってこない。


「……ユキさん?」


振り返ろうとした、そのとき。


「なぁ」


耳元で、低い声がした。


いつの間にか、後ろにぴったりとくっつく、ユキの身体。

お腹に回った手。


「………」

私の手に持つ菜箸から、おかずがぽろん、と落ちた。


「なんで」

「なにが……」

「どうして、アイツはお前の言うことだけ聞く?」

「………」

「それは……」


なんでだろう。

答えられないでいると、グッとお腹に回った手が引き寄せられた。