お惣菜を冷蔵庫から取り出していく。
その間に、ユキは奥で着替えを済ませていた。
ふと顔を上げると、髪まで綺麗に整えられている。
外出の格好だ。
「ユキさん、出かけるんですか?」
「うん。でもお前を一人にはしないから安心して。潤ちゃんが来る」
「潤さん。楽しみです」
潤と会うのも久しぶり。
久しぶりすぎて、少し緊張するくらい。
「今後も、俺が出かけるときは代わりを呼ぶ。1人の時間はないようにする」
「私、少しくらいなら1人で平気ですよ」
ユキは黙って首を横に振った。
「俺が平気じゃない」
「………」
「マンションの周りにも人を置いてる。何かあればすぐ俺に連絡が入る」
「……人?」
「お前の知らない人間。気にするな」
「………」
ユキは、それ以上のことを何も言わない。
だけど。
千景が何の反対もせずここに帰ってきて、今朝もあっさり出て行ったことを考えれば。
この場所なら、大丈夫ってことなんだと思う。
「だから、お前は何も心配しなくていいよ」
私が知らないだけで。
ユキは、私がここに帰ってこられるように、手を尽くしてくれていたんだろう。
私の見えないところでまで、私はこの人に甘やかされてる。
「ありがとうございます」


