余所者-よそもの-【 3 】



ユキの素早い手が、勝手につくられた合鍵を千景から奪った。


「いいよ。1つくらいくれてやる」

「……お前」

「スペアは大量につくってある」


怒ったユキの手がまた千景に向かう前に、私は慌てて声を挟んだ。


「千景」

「何?」

「ここはユキさんの家だよ」

「うん」

「勝手に鍵を作っちゃいけないし、勝手に入るのもダメ」

「………」

「ちゃんとインターホンを押して入ってきて」

「でも」

「つくった合鍵も全部ユキさんに返して」


少し厳しい声で言い聞かせると、千景の頬がぷうっと子供みたいに膨らんだ。


「……わかった」

「じゃあ、いってらっしゃい」


不貞腐れる千景に送り出しの挨拶をすれば、千景の機嫌はいくらか戻って。


「いってきます!」

と、家を出て行った。


ふと視線を感じて、振り返る。

寝室の前に立つユキと、パチリと目が合った。


「……ユキさん?」


だけどユキは眉間に皺を寄せた顔をふい、と逸らすと、何も言わずに部屋を離れた。

……どうしたんだろう。