余所者-よそもの-【 3 】



――翌朝。

マンションの来客を知らせるチャイムの音に、目が覚めた。

程なくして、ガチャリ、と扉が開く音。

そろっと顔を覗かせたのは、千景。


「あ。ママ起きた?」

「おはよう……」

「おはよう!ちょうど出かけるところだったんだ」


そう言って、こちらに歩み寄ってきた。


「何かあったら連絡して。欲しいものがあったらすぐに買ってくるし、困ったことがあったらすぐに飛んでくる」

「ありがとう」


すると寝室のドアの前。

ユキが千景を睨みつけている。


「デックが表で待ってる。さっさと出ていけ。そして二度と来るな」

「それは無理だね」

「お前がチャイムを鳴らしても鍵は開けない」

「開けてもらわなくて結構」


ニヤッと笑った千景が、ポケットから鍵を出した。


「もう合鍵は作成済み」

「ふざけるな」