余所者-よそもの-【 3 】




そうして私たちはラボを飛び出し、森を抜けた。

揃ってユキの車に乗り込み、長らくお世話になった獏の元から離れていく。


車の中では、『獏とは何もない』という弁明をして。

なんとなく二人の誤解も解けたところで。


私はようやく、気になっていたことを口にした。


「あの……今どこに向かってるんですか?」

「俺の家」


運転をするユキが、助手席に座る私をちらりと見て答えた。

するとドン、と後部座席から伸びてきた両腕が、私の肩に回された。


「安心して!僕も一緒に帰るからね!」

「千景……」


てっきり千景は文句を言うかと思ったけれど。

どうやら、ユキの家に行くこと自体には異論がないらしい。

ヘッドレストの隙間から顔を覗かせ、千景が話しだす。


「今はアイツの家がいろいろと都合がいい。シトウから離れてるし、セキュリティも悪くない。高層階なのもいいね。僕でさえ攫うの苦労したくらいだ」

「よくもぬけぬけと。お前を家に上げるつもりはない」

「ママの安心安全が何より大事」

「かぁこに触るな」


ハンドルから片手を離し、ユキが後ろの千景を捕まえようと腕を伸ばす。


「ユキさんっハンドル握ってください!」

「………」

「千景も座って!」