余所者-よそもの-【 3 】



もう一度、後ろを振り返った。


「獏さん、本当にありがとう」

「おう」


獏らしい返事。

すると背中から声がかかった。


「世話になった」

そう言ったのは、ユキだった。


「俺が世話したのはお嬢ちゃんだ。礼はもう嬢ちゃんから貰った」


獏がそう返すと、千景が「またな、ヤクザ医師」と軽く挨拶をする。

後ろをちらりと振り返れば、二人はもう踵を返しかけていた。


「まぁ、お前らもせいぜい頑張れよ」

「………」


「お嬢ちゃん、思ってるより気が多いからな」


獏のその言葉に、二人の足が止まる。


「獏さん?」

何を言い出すんだ。


「……オランダ、だいぶ揺れてたからなぁ。オランダっつーか、ぶっちゃけ俺に揺れてた」

「………」

「夜中に何回も俺のとこ来るし」


……待って。


「さっきも。次はいつ会えるか聞かれたし」


ニヤニヤとしている獏に、私は慌てた。