余所者-よそもの-【 3 】



「獏さん」

「なんだ」

「いつ、日本に帰ってきますか?」

「テキトー」

「……また、会えますか?」


そう尋ねると、獏はふっと目を細めた。


「お前が元気だったらな」

「元気に、なります」

「俺はロリコンじゃねぇが、若い女は好きだ」

「……ん?」

「でも、死にたがりは大嫌いだ」

「………」


「お前が元気でいたら、また遊んでやる」

「……うん」


私はノートを胸の前でぎゅっと抱きしめた。

すると後ろで――ガシャン!と激しい物音が響く。


「あいつら……マジうるせぇ。さっさと引き取れ」

「………」

引き取られるのは私の方なんだけどな。


私は椅子から立ち上がり、調合室を出て。

取っ組み合う二人に向かって声をかけた。


「ユキさん、千景」


ピタリと手を止めた二人。

揃ってこちらを振り向く。


『どうした?』ってその顔に、自然と笑みがこぼれる。



「帰ろ!」


その一言に、二人の顔がぱっと明るくなった。

嬉しそうに笑いながら、駆け寄ってくる。