余所者-よそもの-【 3 】



「………」

何をやってるんだろう。


「お前も大変だな?」

背後から聞こえた声に、私は前へと向き直る。

獏も呆れ顔だ。


賑やかな二人の声が遠ざかる中。

獏と二人きりになった部屋で、気になっていたことを尋ねた。


「獏さん。こうなるってわかってて、ずっと私に黙らせてたんですか?」

「何にでもオチがねぇとな。面白かったろ?」

「面白いというか……」


後ろを振り返り、喧嘩をしている二人を眺める。


「騒々しいですね」

「欲しいモンのために馬鹿やれるっていいよな」

「………」

「生きてるって感じがする」


そう言った獏の顔は、満足げに笑っていた。


やがて、ふと真顔に戻ると。

「あ、そうだ」


獏は棚の引き出しから一冊の大学ノートを取り出し、私に差し出した。