だって、こんな物音を立てたらさすがに……。
「お前らねぇ、予想通りすぎ」
背後から伸びてきた、呆れた声。
振り返れば、獏が立っていた。
「色男はまぁいい。チカは論外。普通に器物損壊罪ね、コレ」
獏は千景を睨みつける。
「自腹で直せよ」
そうして気を取り直したように、――パン!と手を叩いた。
「はい!じゃーあ、皆さん。身も心も支度が整ったっつーことで、お嬢ちゃんはめでたくラボ卒業!」
その景気のよい声に、私は目を丸めた。
「最後に渡す薬の説明するから、こっち来い」
獏はそう言って背中を向けると、調合室に向かって歩きだす。
呆気にとられたまま、ユキと顔を見合わせた。
ユキも同じ気持ちだったのか、小さく肩をすくめると。
ゆっくりと、獏について歩いた。


