余所者-よそもの-【 3 】



舞い上がる埃。

その向こうに、


「ママ!」

「……千景?」


チェーンソーを手にする千景は、ユキに抱きかかえられた私を見るなり、その場に固まった。


「……あ。先越されちゃったか」


ブウン……と止まった、チェーンソーの爆音。

静まり返ったラボ。

千景はユキを見つめたまま、ぽつりと口を開く。


「お前がここにいるってことは。もしかして鍵開いてた?」

「開いてたな」


ユキが淡々と答えると、千景は足元に倒れた扉を静かに見下ろした。


「………」

その目は『じゃあ壊さなくてよかったじゃん』って言ってる気がする。


「………」

「………」


そんな千景を、ユキは冷ややかな目で見ていて。

私はただおろおろとしていた。