「頭では……わかってる」
耳元で、掠れた声がした。
「お前が望むなら、我慢しようって。何度も言い聞かせた」
「………」
「でも、ごめん」
回された腕に、力がこもる。
「無理だった」
「……ユキさん?」
「俺、やっぱりどうしても、お前だけは譲れなかった」
「………」
「お前がいない世界で、生きられる気がしない」
息が、耳に触れる。
「かぁこ」
「………」
「お前と一緒に生きたい」
トクン、と。
大きく胸が、鳴る。
鼓動に押されるように、想いが勝手に唇からこぼれそうになった。
そのとき。
ふわりと、身体が浮く。


