……おう?
獏のそのあまりにも軽い二つ返事に呆気にとられた。
「………」
「………」
獏の次の言葉を今か今かと待っている内に、メロンを切り終えてしまう。
「……え。あの。獏さん」
「なんだ」
「話聞いてました?」
「聞いてたよ」
「私、オランダには行かないって」
「うん」
「それだけ?」
ちらりと獏を見上げれば。
意地悪い顔が返ってきた。
「なんだよ。俺にまで欲しがってほしいのか?欲張りだな、お前」
「ち、違います」
器に盛りつけたメロン。
獏がフォークにぷすりと刺して、一口食べた。
「帰る場所。自分で決めたんだろ?」
「はい」
「じゃあ、それでいい」
「………」
「――ただしッ!!」
獏は突然、声を張り上げると共に、フォークの先を私に向けた。
「うわっ」
思わず背中を逸らせ、退く。
危ないし、行儀が悪い。
「その決心。アイツらには言うな」
……どういうこと?


