余所者-よそもの-【 3 】



でも。

それでもずっと、消えないものがあった。


何度振り払っても。

何度、諦めようとしても。


AnBarに帰りたいっていう気持ちは、消えない。


帰るのは、とても怖い。

野間くんのことは忘れられない。

シドのことだって終わってない。


私が帰れば、また誰かが傷つくかもしれない。


それでも。

――『嬉しいって思ってもいい自分を、許せたんじゃねぇか?』



AnBarに、帰りたい。

私、帰りたいんだ――……。




「で?」

「………」

「お前、いつメロン切るんだよ」

「……あ」



「お前が選んだんだ。さっさと食っちまおうぜ」



「……獏さん。私」

「ん?」

「オランダには、行きません」


私がそう言うと、獏は満足そうに笑った。



「おう」