「例えば、仮に、本当に」
「………」
「お前の言う通り、お前のせいで死んだヤツがいたとして」
「………」
「死んだヤツの選択は、死んだヤツのモンだ」
「………」
「だから、そいつの選択まで、勝手にお前が背負うな」
背負う――……
――『リンコが身体を張ったのは、リンコがそうしたかったからだ』
――『そばにいて欲しいから、優しくするだけ』
「………」
「チカの選択は、チカのモン」
「………」
「俺の選択は、俺のモン」
「………」
「じゃあ、お前の選択は?」
私の、選択は……
「私の……もの」
目の前に置いたメロン。
夕方に食べた、イチゴ。
私が選んだ、フルーツ。
私が選んだ、ユキとの時間。
これまでこの場所で、獏と一緒に選び続けてきた。
夜ごはんも、お風呂の時間も。
飲み物も、眠る時間も。
本当はなんでもよかった。
『大丈夫』『平気』『なんでもいい』
これまで散々、相手に合わせてきた。
目の前の誰かがきっと笑ってくれる選択を、自分の選択だと、思い込んでいた。


