余所者-よそもの-【 3 】



――その晩。

今日も薬なしで私は眠る。


だけど、どうも寝付けない。

眠ろうと思って目を閉じるほど、眠れない気がした。


ふと。

ユキの置いて帰った、フルーツが山盛りに入った段ボールに目を落とす。



「――獏さん」

「なんだよ。子守歌でも歌えってか」

「いえ。……一緒に、夜食なんてどうですか」


私は、手にした大きなメロンを差し出した。

獏は一瞥すると、作業を中断する。


「俺もコーヒー入れよ」


そう言って、二人でキッチンに向かった。


「獏さんって、いつ寝てるんですか?」

「テキトー」

「私、獏さんが眠ってるところを見たことがないです。夜中でも朝でも、いつも起きてますよね」

「そりゃ、お前が起きてくるタイミングを外して寝てるからだ」


「………」

……ん?


「なんで私がいつ起きるかわかるんですか?」

「なんとなく。俺すげぇだろ」

「本当だとしたらすごいと言うか、怖いです」


獏は軽く笑うと、棚から包丁を取り出した。


「切るか?」

「いえ、私が切ります」