余所者-よそもの-【 3 】




――ジャアア、と。

水の流れる音がキッチンに響く。


ラボにある個室のキッチンには、イチゴの甘い香りが充満していた。


私が自分で用意をすると言ったのに。

ユキは有無を言わさずイチゴを取り上げてしまったので、仕方なくキッチンまでついてきた。


さすがのユキでも、イチゴを洗うくらいはできると思う。

だけど。

ユキがキッチンに立つところを見たことがなかったので、なんだか心配だった。


「………」

彼の手元を覗き込む。

ユキは私が選んだイチゴを、一粒ずつ洗っていた。

……そんなに丁寧に洗わなくてもいいのに。


赤い実を大きな手のひらでころころと転がしては、水にくぐらせて。

私の選んだイチゴまで大切に扱われているみたい。