――夕方。
ユキがやってくると。
ドン!、と。
目の前に、大きな段ボールが置かれた。
そこに溢れるほど詰め込まれた、色とりどりのフルーツ。
それを見た獏が、呆れかえった声を上げる。
「てめぇ。ここで果物屋でも始める気か?」
「………」
私は言葉を失った。
ユキはきっと、お店にある全種類の果物を買ってきてしまったんじゃないだろうか。
「ユキさん……買いすぎです」
「どれにする?」
ふふっ、と呆れながらも笑みがこぼれてしまう。
たくさんのフルーツを見つめてから、手を伸ばし、
「私は、イチゴにします」
と、小さな選択をした。


