余所者-よそもの-【 3 】



「……なんで私を守りたいの?私、あなたに何かした?」

「たくさんお話してくれたじゃないか」

「話なんて……」

「電話」

「……電話?」

「毎日電話でお話した」


私はふるふると首を横に振った。


「人違いだと思う」


この人と電話だってしてない。


「ううん」


地下の売人は更に首を横に振って、『違う』と言う私を『違う』と否定した。


そして。

彼はパーカーのポケットからスマホを二台取り出し、畳の上にコトン、と置く。


「……それ」


一つは私のスマホ。

やっぱりこの人が持ってたんだ。


だけど見つかった自分のスマホよりも、もう一台のスマホに釘付けになった。



「見ててね」



地下の売人が古いスマホを操作し、発信ボタンを押した。


――ブー、――ブー、

静かな和室に、私のスマホのバイブ音が虚しく響く。


薄闇の中でぽっと光った画面。


そこに浮かび上がった登録名は、

――『アオイ』。