余所者-よそもの-【 3 】



何か返さなきゃと思うのに、言葉がひとつも出てこない。


「………」

ユキは狼狽える私なんてお構いなしで。

すっかりいつもの調子で私を構い始めた。


私の服の裾についた木の葉を払って、突いた膝に怪我がないか確かめて。


「おいで」


再び背中に腕を回し、今度は真っ直ぐに私を抱き上げる。


ぐん、と高くなる視界。

ユキにしがみ付いた。


「木陰に行こう」



濃淡のある新緑が、景色になって流れていく。



「でも、ユキさん。時間……」

「いい。今日はかぁこがもういいって言うまで一緒にいる」



ユキの柔らかい髪が、風に流れて、私の頬をくすぐった。