「聞いて。かぁこ」
ユキは私の頬に触れると。
ゆっくりと身体を離して、私の顔を見下ろした。
「俺はずっと、お前から貰ってる」
そんなわけない。
思わず眉間に力を込めた。
ユキの親指が、私の目の下をそっとなぞる。
「怒ったり、泣いたり。嬉しいも、何もかも。どうしてだか……俺は、お前でしか感じられない」
「………」
「そばにいて欲しいから、優しくするだけ。離れてほしくないから、離れられないようにしてるだけ」
「………」
「俺、ズルい?」
ユキはそう言って、少し困ったように目を細めた。
私は首を横に振った。
ズルいのは私の方。
だって、ユキがそう言うなら。
彼の言う通り、このまま。
ドロドロになるまで甘やかされて、絆されてしまいたいと思ってしまった。
なのに、私は言ってない。
彼に何一つ返せないばかりか、できる返事を先送りにして、ずっと甘え続けてる。


