余所者-よそもの-【 3 】



この腕の中を嫌だなんて思わない。

思うわけ、ない。


私はゆっくりと、ユキの背中に手を回した。

触れた背中がぴくり、と反応して、腕の力が強くなる。


苦しいくらいに、胸が締め付けられていく。

切なさを押し殺すように、私だってユキの身体を自分へと強く引き寄せた。


ユキの身体が、私にぴったりと重なっていく。

なのに。

もっともっとって寄せ合う膝が木の葉を擦って、ザザ、と静かな森を騒ぎ立てた。


「わたし……ユキさんにもらってばかりで、」

「………」

「何も返せてなくて。だから、」


だから――ずっと、ユキの目を見るのが怖かった。


優しくされればされるほど。

与えてもらえばもらうほど。


差し出せるものが自分には何もない気がして、心が苦しかった。