……言った。
言ってしまった。
袖を掴む指先に、ぎゅっと力が入る。
ユキの目が、ゆっくりと見開かれていく。
「………」
何も、返ってこない。
「………」
――やっぱり。
間違った。
掴んでいた袖を、そっと手放す。
「ごめんなさい、嘘です。今のは――」
「触っていい?」
「え……?」
「抱きしめたい」
――……。
私は小さく、頷いた。
次の瞬間。
身体ごと包み込むように、ユキの腕が回った。
「ずっと我慢してたのに」
「我慢……?」
「かぁこ、俺と目を合わせないから」
「それは、」
「嫌なら、言って……」
「………」
「お前の嫌がることはしない、から」
胸が詰まったようなユキの声が、耳元で震えていた。


