余所者-よそもの-【 3 】



……言った。

言ってしまった。


袖を掴む指先に、ぎゅっと力が入る。

ユキの目が、ゆっくりと見開かれていく。


「………」

何も、返ってこない。


「………」

――やっぱり。

間違った。


掴んでいた袖を、そっと手放す。


「ごめんなさい、嘘です。今のは――」


「触っていい?」

「え……?」

「抱きしめたい」


――……。


私は小さく、頷いた。


次の瞬間。

身体ごと包み込むように、ユキの腕が回った。


「ずっと我慢してたのに」

「我慢……?」

「かぁこ、俺と目を合わせないから」

「それは、」

「嫌なら、言って……」

「………」

「お前の嫌がることはしない、から」


胸が詰まったようなユキの声が、耳元で震えていた。