余所者-よそもの-【 3 】



ふと思い出した。

千景に、ユキのマンションから連れ出された日。


買い出しに行くユキに、リンコが頼んだフルーツ。

私は、ユキが何のフルーツを買ってきてくれるか楽しみにしていた。


「わかった。明日買ってくる」


そう微笑んだユキ。


私は明日が楽しみになって、一歩、足を踏み出す。

自分の足で、ザク、と踏みしめた柔らかい土の感触に、少しだけ口元が緩んだ。


ゆっくりと、ゆっくりと、森を歩いた。

ラボでも歩いていたけれど、森は足場が悪い。


広い森の木々を縫い、ユキに掴まりながら。

慎重になってラボの回りを一周した。


もう少しでラボの正面に着く。


「………」

ユキは、ちらりと腕時計を覗いた。