余所者-よそもの-【 3 】



話せない。

わからない、わかってもらえない。


だったら、逃げる方法を考えようと思った。


ここはアパートだ。

窓もあるし、出入口もある。

隙を見て、出られそうな場所を探してみよう。


しばらくの間、寝たふりをした。

私は一言も話さなかったし、地下の売人も何も話さなかった。


物音も消えた。

後ろにいる彼も、もしかしたらうたた寝をしているのかもしれない。


そっと後ろを振り返った。


「……おはよう!」

「………」

「どう?少しは気分良くなった?」

「ずっと見張っているの?」

「見張ってなんかいないよ。見てるだけ」

「………」

「見ていたいだけ」


嬉しそうな顔をして話す彼。


やっぱりこの人は、変だ。

おかしい。