余所者-よそもの-【 3 】



「ユキさん、降ろしてください」

「……どうして?」

「ちょっと、歩きたいです」

「そうか。そう言えば、身体を動かせって言われてたな」


ユキはその場に屈みこんで、そっと私の膝裏を放した。


足の裏が、木の葉にふわりと沈む。

差し出されたユキの手を掴んで、立ち上がった。


「重たかったですよね」

「ううん。軽すぎるくらいだ」

「前よりは……少し痩せました」

「何か、食べたいものはないの?」


「………」

聞かれて、頭をよぎったのは、毎日の獏の『自分で選べ』の言葉。


でも、困った。

食べたいものは、毎日獏に報告しているから。


思いつくものが何も――……


「……あ」

「なに?」

「フルーツ。食べたいです」