余所者-よそもの-【 3 】



ザ、ザ、ザ。

ユキの足が草木を踏みしめる音。


頬をなでる風は優しくて、春の陽気そのものだった。


――『外は、だんだん暖かくなってきました』

――『もうすぐ、春が来ます』


「………」

悲しい風を遮るように、ユキの肩にそっと顔を埋めた。



「どうした」

「……え?」

「………」

「………」

「まだ外は辛い?」

「いいえ……」


黙ったユキに、鼓動が耳に伝わってきた。


とくん、とくん、とくん。

ユキのゆったりとした歩調が、とん、とん、とん、と規則正しく刻まれる。


それに呼応するように、私の鼓動も静かに重なっていく。

……やっぱり、安心する。