余所者-よそもの-【 3 】


――翌日。


いつものように、ユキがラボにやってきた。

ユキは私の身の回りのことを全部やってくれる。


もういくらか私の身体は動くのに。

何かしようとするたび、ユキが先回りして手を貸してしまう。


水を飲もうと思えば、ユキが手に取ってしまうし。

髪が邪魔で後ろに払おうかと思えば、ユキが私の髪を後ろに流す。


食事も全てユキが私の口へと運んでくれるし。

口元が汚れれば、すぐさまユキが拭ってくれる。


トイレに行こうとすれば、否応なしに抱きかかえられ。

手洗いのソープでさえ、ユキがポンプを押した。


「おい、色男」


ユキに横抱きにされ、トイレから戻る最中だった。

呆れた顔つきの獏が、ユキの足を止める。


「ソイツはもう動ける」

「………」

「過保護もほどほどにしろ。ある程度動かしてやんねぇと、筋力が戻らない」


ユキは考えるように私を見た。

視線がパチリと合って、私はその瞳からパッと目を逸らす。


「………」


私を抱えるユキの手に、グッと力がこもった。