余所者-よそもの-【 3 】



「『大丈夫』『平気』『なんでもいい』」

「………」

「このお前の口癖。気ぃ使いなのは多分お前の素だろ。んでも、ちょっと度を越えてる」


たしかにそれは私の口癖かもしれない。


「度を超えてるって……」

「獏サマの宿題、その2」

「あの、」


こちらの戸惑いなんて無視。

獏は人差し指と中指を立てて、私の鼻先へ突きつけてきた。



「明日、ひとつ。あの色男に甘えてみろ」

「あ……甘える?」

「ああ」

「どうやって?」

「知らねぇよ」


背中を向けた獏に、「ちょっと待ってください」と焦っていると、おもむろにこちらを振り返った。


「あ。でも」

「………」

「俺に報告できる内容に留めろよ。あの男がかわいそうだ」


そう言って、奥に引っ込んでしまった。


「………」


甘える?

私が、ユキに?


――何を?


私の頭の中は、明日どうやってユキに甘えるか。

そんなことでいっぱいだった。