余所者-よそもの-【 3 】



背を向けた私に、声が追いかけてくる。


「ねえ、飲んで」

「いらない」

「じゃあ、食べて」

「いらない」

「僕は、君の身体を治したいんだ」

「必要ない」

「早く大丈夫にしたいから」

「じゃあ」

「……なに?」


期待したような声に、突き返すように応えた。



「私を、元の場所に帰して」



私がそう言うと、地下の売人は少しだけ黙る。


だけど返ってきた声は、これまでの弱々しい声とは打って変わり。

感情の削げ落ちた、揺るぎのない声だった。



「それはできない」


「どうして?」

「あそこじゃ、君を守ることができない」

「守ってもらう必要ない」

「君は、僕のそばに居なくちゃ」

「勝手に決めないで」

「シトウに対抗できるのは、僕しかいないから」

「………」


「だから、この僕が守る」


「……私は、あなたなんかに守ってほしくない」



なんなの……この人。

意味がわからない。


私の気持ちだって、一つも聞いてくれない。