余所者-よそもの-【 3 】



そんなある日。

部屋に入ろうと、駆け足で調合室を通り過ぎようとした千景。

獏が首根っこを捕まえ「走るなっつってんだろうが」と例のごとく注意をすると、あからさまに顔をしかめる。


「……お前、クサいぞ」

「あ。ずっと家帰ってないから」

「汚ねぇ身体でラボに入るな。この病原菌」

「じゃあ、シャワー貸して」


千景は獏の返事も待たず、シャワー室に駆け込んだ。


ほどなくしてお風呂から上がると、髪を濡らした状態で戻ってくる。

服はちゃんと着ていた。


「……千景、服着てる」

「そりゃ、ここ土足だし。マッパで靴だけ履いてたらおかしくない?」


「………」

そもそもお風呂上がりに服を着ない千景がおかしいんだけどな。


「ママ、ドライヤーやって!」

「いいよ」


いつかのアパートでの暮らしみたいだ。