それから獏は、毎日私に尋ねた。 『今日は自分の何を許せた?』と。 答えが出ない日は、その日一日を振り返って、許せそうなことを一緒に考えてくれた。 そして獏は私に、小さな選択をたくさんさせた。 きっと、わざとだと思う。 「今日晩飯、何がいい?」 「なんでもいいです」 「『なんでもいい』は禁止だ」 「……じゃあ。シチュー……」 「了解」 夜ご飯の献立や、お風呂に入る時間。 飲み物や、眠る時間まで。 全部、とても些細な事。 これ自体にどういう意味があるのかは、教えてくれない。