――しばらくして。
「……獏さん」
開けっ放しの扉の先。
調合室のチェアに座る獏に、ベッドの上から声をかけた。
「なんだ?」
作業を中断して、こちらに歩み寄ってくる獏に、頭を下げる。
「ごめんなさい。食べきれなくて」
ベッドの上に組み立ててもらった机。
その上に置いたお粥は、半分以上残してしまった。
「なんで謝る?」
「せっかく作ってくれたのに」
申し訳ないと伏せた頭上から、獏の声が降ってくる。
「じゃあ今日は。晩飯を残した自分の事を許せ」
「……さっきの宿題ですか?」
「そう」
「こんなことでいいんですか?」
獏は答えなかった。
じっと私を見下ろしたまま、視線を外さない。


