「じゃあ、獏サマからの宿題」
「……宿題?」
「毎日一つ。なんでもいい。――自分のことを許せ」
「許す?」
「そうだ」
「許すって、どんなことを?」
「どんなことだと思う?」
わからないから聞いてるのに。
「許すってことは……やってしまった、悪いこと?」
「悪いことって、具体的には?」
「……なんだろう。約束を破るとか、人を傷つけるとか?」
「ふぅん」
「え、違うんですか?」
だったら教えてよ。
そう詰め寄るように尋ねた私に、獏は素知らぬ顔。
「さぁ?悪いことの定義なんぞ俺も知らん」
「獏さんが聞いたのに……」
「まぁ、難しく考えんな」
「でも宿題なんですよね?」
「今は飯を食え。宿題はテキトーにやりながら教える」
「………」
私は釈然としないまま、目の前のお粥を食べ進めた。
獏は先に食べ終えると、「あとは仕事だ」と言って、隣の調合室へと戻っていった。
カタカタ、とパソコンを打つ音だけが響く。


