「………」
獏は何も言わず、じっと二人を見据えた。
千景が畳みかけるように続ける。
「薬だけ寄こしてくれれば、あとは僕が看るし」
「お前ら、なんか勘違いしてねぇ?」
冷ややかな目つきをする獏。
続けて、言い放った。
「お嬢ちゃん、お前らのところに帰る気ねぇぞ」
その瞬間。
二人の視線が、今度は私へと集まった。
眉間に皺を寄せたユキと千景。
縋るような言葉が、口々に浴びせられる。
「……どこに帰る気だ」
「まさか」
「なぁ。AnBarなら大丈夫だ」
「僕だって助けになるから。何の心配もいらない」
私は、
「………」
何も、言えない。


