余所者-よそもの-【 3 】



「寝不足?」

「少しね」

「そっか」

「………」

「千景、ごめんね」

「何が?」


私は千景にも謝らなきゃいけない。


「リビドーまで迎えに来てくれたのに」

「やっぱり、覚えてたんだ」

「うん」


あのときの千景の顔はしっかりと覚えてる。

一生懸命、私をあそこから連れ出そうとしてくれたのに、私はその手を払ってしまった。


とても、傷ついた顔をしていた。


「いいよ」

「………」

「その代わり」


なんだろう、と千景を見下ろす。

千景は薄い目を開けて、そっと微笑んでいた。


「ちょっとだけ、頭を撫でて」


なにそれ。

そんなことでいいんだ。


私は少し笑って、千景の白い頭を撫でた。


「………」


嬉しそうに目を細めた千景は、そのまま眠ってしまった。

私はその幸せそうな寝顔を見つめながら、気がつけば眠りに落ちていた。