余所者-よそもの-【 3 】




「ママ!」


ユキが帰ると、入れ違いになって千景がやってきた。

獏はバタバタと駆け寄ってくる千景の首根っこを掴んで、「ラボで走るな」と注意をした。


「コイツ、さっきまで色男が構ってたから、ずっと起きっぱなしだ」

「だから何」

「コイツは今から寝る。お前も今日は帰れ」

「無理」


突っぱねる千景を、獏が睨みつけた。


「獏さん、私まだ起きてます」

「あ?お前、眠いよな?」

「……す、少し眠いですけど、ちょっとなら」


私がそう言うと、千景は獏の手から逃れて、こちらにやってきた。

獏は呆れた顔で、奥へと引っ込んでいく。


「一緒に寝よ。僕も眠いや」


千景は椅子に座り、私の眠るベッドに頭をコテン、と預ける。


「ママ、あのヤクザに変なことされてない?」

「されてないよ」

「アイツ怖いでしょ。でも腕は確かだ」


確かに、少し怖いかも。

何をやっている人なのか、よくわからないし。


「元気になってきたね」

「うん。点滴もさっき外してもらった」


千景は本当に眠いようで、うとうとと瞼を上下させた。