余所者-よそもの-【 3 】



どうしたって、胸が苦しい。

だって。


「……ユキさん」

「なに。かぁこ」


「ごめんなさい……」


私がそう言うと、ユキは汗を拭う手を止めて、近くの椅子にそっと掛けた。


「どうして?」

「だって私」

「うん」

「ユキさんに、ひどいこと……言った」


――『ユキさんじゃ、無理』


私を守るって。

私のことを好きだと言ってくれた、彼に。

とてもひどいことを言った。


ユキを傷つけた。

傷つけようと思って、傷つけた。


「……前に言わなかったっけ」

「なにを……」

「俺は、最終的にはお前のこと、なんでも許すよ」

「………」

「かぁこだから」


私は首を横に振った。


「お前がいるだけで、お前が生きてるだけで。俺はそれでいい」


ユキの温かい手が、私の冷たい手を包み込んだ。


「俺はお前の傍にいたいだけ。俺がお前に何かするのも、お前を許すのも。全部、自分のためだ」

「………」

「お前は何も気にしなくていい」


ユキは……優しい。


優しくて、優しすぎて。

だからこそ、どうしようもないほど心が痛む。


私には、この人の優しさを受け取る資格なんてない――……