どうしたって、胸が苦しい。
だって。
「……ユキさん」
「なに。かぁこ」
「ごめんなさい……」
私がそう言うと、ユキは汗を拭う手を止めて、近くの椅子にそっと掛けた。
「どうして?」
「だって私」
「うん」
「ユキさんに、ひどいこと……言った」
――『ユキさんじゃ、無理』
私を守るって。
私のことを好きだと言ってくれた、彼に。
とてもひどいことを言った。
ユキを傷つけた。
傷つけようと思って、傷つけた。
「……前に言わなかったっけ」
「なにを……」
「俺は、最終的にはお前のこと、なんでも許すよ」
「………」
「かぁこだから」
私は首を横に振った。
「お前がいるだけで、お前が生きてるだけで。俺はそれでいい」
ユキの温かい手が、私の冷たい手を包み込んだ。
「俺はお前の傍にいたいだけ。俺がお前に何かするのも、お前を許すのも。全部、自分のためだ」
「………」
「お前は何も気にしなくていい」
ユキは……優しい。
優しくて、優しすぎて。
だからこそ、どうしようもないほど心が痛む。
私には、この人の優しさを受け取る資格なんてない――……


