「………」
「………」
ユキは黙って私の額に浮かんだ汗を拭っていた。
ちらりと顔を覗き込んで、パチ、と合った視線から思わず逃げる。
「着替え……持ってきてくれたんですね」
「うん」
「すみません」
どうしてだろう。
目を、合わせられない。
「謝るな」
「手間を、かけさせてしまって」
「やりたいんだ」
「でも」
「アイツ。地下の売人にお前を攫われて」
「………」
「あの時、お前にやってやりたかったこと。今やっとできるから」
「………」
「俺は……嬉しい」
そんな風に言われると、何も、言えない……。
私はぎゅっと、布団を握りしめた。


