獏は私の体温を測ったり、脈を取ったり、血を採ったり。
とてもお医者さんみたいなことをする。
獏にあれこれ診てもらっているうちに。
だんだんと、目のぼやけが取れて、頭の中のモヤも晴れてきた。
「体調は?」
「平気です」
間髪入れず答えると、獏の目が鋭くなった。
「吐き気は?」
「……少し」
「腹痛は?」
「今はないです」
「『今は』ね。いつ痛かった?」
「いつだろう……獏さんがきてから、なくなりました」
そこからも細かく、細かく、身体の状態を尋ねられた。
ひとしきり質疑応答を終えたあと、獏はため息を吐いた。
「あのよぉ」
「……はい」
「どっからどう見ても体調悪いヤツが、『平気だ』って即答してくんな」
「すみませ――」
「それ、お前のクセか?それともまだ頭回ってねぇだけか?」
なんて答えたらいいかわからず困っていると「まぁいい」とだけ言って、踵を返す。


