「点滴は一旦今日で外す。窮屈だったろ」
「いえ……ありがとう、先生」
「先生じゃねぇっつの」
そうか、お医者さんじゃないんだった。
「鬼切 獏だ」
じゃあ。
「鬼切さん」
「やめろ」
「……え?」
「ガキのころ、散々それでからかわれた」
おにぎりさん。
……たしかに、海苔に巻かれたおむすびが絵に浮かぶ。
「同じ理由で、鬼さんも禁止な」
「……じゃあ、なんて呼べば」
「鬼ぃさんな感じで、お兄さん、だ」
「………」
「お兄ちゃんでも可」
「………」
この人、ちょっと変な人かもしれない。
「……獏さん」
「まあ、それでいい」


