獏はデスクの上にパソコンを開いて、千景の方を見る。
「お嬢ちゃんの中に入ってる毒を教えろ」
千景は改めて説明をした。
獏は薬は作れるが、医者ではない。
だから状態に合った薬を作ってもらうには、どんなものに身体が侵されているのかを把握してもらう必要があった。
カナコの飲んでいた水に混ざっていたものは、千景には把握できていた。
だけどその他は、どんなものを入れられていたかわからない。
千景にだって知りようがなかった。
「……なるほどな。んじゃあ、様子見ながら薬練るしかねぇな」
難儀だな、と天井を仰ぐ獏に、ユキが口を開いた。
「アイツは治るのか」
「体はな。ただ……どうだろうな」
「なんだ」
「長い間閉じ込められてたんだろ?体は解放して治してやれても、心がそこから出られるかは、これから次第ってところだな」
「………」
ユキと千景は揃って悔しそうに顔を歪めた。


