余所者-よそもの-【 3 】



「かぁこ」


その呼びかけと共に、カナコの意識がゆっくりと浮上していく。


右手があたたかい。


手を握ったユキが、カナコの顔を見下ろしていた。

その悲痛な面持ちに、カナコはどうしたんだろう?とわずかに首を傾げた。


「ママ!」


左からの呼びかけ。

首を傾ければ、千景はえんえんと泣いている。


カナコはぼうっと上を見上げた。

コンクリートの天井に、むき出しの蛍光灯の白光がまぶしくて、ぐっと瞼を閉じる。


ユキが光を遮ってやるみたいに、額から瞼へと、そっと手のひらを滑らせた。

とても安心する香りと、温もり。

カナコはうとうとと、瞼を上下させた。



「はい、終わりー」


パン!と仕切るように手を叩いた、白衣を着た男。


――鬼切 獏。


ユキは男を睨みつける。

カナコのために薬を調合していた男だと、ここに来る道中に千景から話は聞いていた。


それでも、どこか胡散臭い。