余所者-よそもの-【 3 】



「………」


紫藤は、気圧されるように一歩、後ずさった。

膝の力が抜け、ふらふらとさらに二歩、三歩と下がる。


頭を抱え込むようにして、悪夢でも見ているかのような弱々しい声で呟いた。


「……ころす……な」


ユキは紫藤を視界に入れることすら拒むように、まっすぐ足を進める。


「死なせるな……」



紫藤と、ユキが――すれ違った。




「生かせっ……!なんとしても……生かせ!!」




走り去る、ユキと千景。

遠退く背中。


紫藤はまるで脳天に大きな衝撃でも食らったかのように、床に蹲(ウズクマ)り。


「………」


脱力したまま、動かなかった。