余所者-よそもの-【 3 】



千景は足を止め、拳を握りしめた。

一方で、ユキは――……


「………」


カナコを腕に抱き、その場に静かに立ち上がる。


紫藤は低く、吠えた。


「殺すぞ」


ユキは伏せた顔を、上げた。


「……退けよ」

「………」

「退け。死にかけてる」


ユキのその言葉に、紫藤の顔色が変わる。


「………」


カナコの顔を見た。


青白い顔。

深く閉じた瞼。


後ろでガサ、と動いた千景に、部屋の奥へ視線を滑らせる。

……大量の、薬のフィルム。



「――……退けッ……!!!」



そう怒り叫んだユキの右目から、一粒の大きな涙が零れ落ちた。